エンジンオイル交換、自分でやる?他人に頼む?
ボート整備は車と違い、水に浮いている分、定期的に整備を行うのが難しいものです。
しかし、海での係留など塩害もあるボートエンジンは非常に過酷な環境で日々をすごしています。
少しでも手を抜くとあっという間にボロボロになってしまう、船のエンジンですが、
日々の整備の積み重ねで少しでも良い状態を長く保ちたいものです。
そのためにできる、まず第一の作業はエンジンオイルの交換だと思います。
以前、知り合いの車整備技師さんに、「エンジンオイルは人間で言う血液と同等に重要なもので
オイルフィルタは物理的な異物の分離しかできず、車はエンジンオイルの浄化装置を持っていない!
だから6ヶ月ごとに定期的に入れ替えてあげないと絶対だめだ!」と力説をされたことがありました。
これはまったくボートエンジンにも当てはまることだと思いますし、車よりも熱や塩にさらされる可能性がある
環境であればなおのことだと考えています。
ということで、自分なりに行っているエンジンオイルの交換を説明してみたいと思います。
エンジンオイルの交換方法は大きく分けて2種類
まず、エンジンオイル交換は「上抜き」「下抜き」と2種類の方法があります。
車でも同様のものがあり、ガソリンスタンドなどでは上抜きが主流です。
どう違うかというと・・・
【上抜き】
エンジンオイルのゲージを差し込んでいる穴やエンジンオイルを入れる穴からホースを差込み
ポンプで吸い上げてエンジンオイルを抜くという方法。
【下抜き】
エンジンの下にあるドレーンプラグという、いわゆる栓を抜いてエンジンオイルを抜くという方法。
本来は下抜きのドレーンプラグを抜くほうが正しい整備方法となると思いますが、車の場合でもエンジンの下にもぐりこまなければならないし
船となれば水に浮いていることもあるので、エンジンオイルを水面に垂れ流すことになり、汚染の原因ともなります。
これらの理由から陸揚げを伴わない整備となれば、船の場合は上抜きしか選択できないと思います。
上抜きのエンジンオイル交換はどうやってする?
まずはエンジンの暖機運転からはじめます。
5分程度暖機運転を行って、エンジンオイルを温めます。
こうしておくと上抜きのチューブが細くてもオイルがやわらかくなってスムーズにチューブを通ってくれます。
そして暖機運転後、手動オイルチェンジャーなるものを使ってエンジンオイルを抜き取ります。
この方法は、厳密に言えば下抜きほどすべてのオイルが抜けていないかもしれませんが、年に数回の陸揚げ整備まで
エンジンオイルを汚れたまま引っ張るよりは、よほどエンジンにかける負荷が減らせると考えています。
オイルが吸い取れなくなったら、新しいオイルを入れます。
その際、エンジンのオイル投入口にペットボトルを装着すると非常に入れやすいのでご参考ください。
SUZUKI DF-100Aのエンジンはエンジンオイル投入口とペットボトルの飲み口のねじ山がかみ合うようにできています。
これでペットボトルを使ったジョウゴが作れますので、ペットボトルの底をナイフで切って、はめ込んでからオイルを注ぎます。
ペットボトルのおかげで豪快に入れ込んでもまったくこぼれません!
これを知ったときはエンジンを作った人の気遣いがとても感じられ感動しました。
エンジニアの皆さん。すばらしいアイデアをありがとうございます。
あとは投入口に蓋をして、エンジンのレベルゲージが適正値上限いっぱいであれば、交換終了です。
エンジンのオイル交換時間をリセットして、また交換時期までのタイマーを働かせましょう。
このあたりはエンジンの整備マニュアルにもあるのでそれぞれのメーカーの手順を参考にされて下さい。
その後、取り出したエンジンオイルはオイル廃油処理箱を使って地域のルールに則って廃棄しましょう。
こんなやつです↓
SUZUKIであれば以下のものになります。
メーカーによっては純正オイルを入れていないと故障の修理を受け付けてくれなかったり、保障対象外になったりと
少なからず不利に働くことが多いです。
多少の出費を保険と考え、純正オイルを購入するようにしましょう。
また、エンジンオイルは古くなると酸化してオイルが悪くなってしまうので、交換時期を見計らって新しいものを購入し
すぐに使用するようにしたほうがいいと思います。
この情報が誰かの一助となると幸いです。